2014年1月30日木曜日

木目金Zippo制作 仕上げ




 しばらく手付かずだったZippo制作ですが、やっと仕上げを迎えました

色地金をいっぱい使っているので、最後の仕上げは色上げしてみます

まずは全体を墨研ぎしてキレイにしておきます




 ここから色揚げ作業に入りますが、作業工程はまるで料理のようです


まず用意する物は、銅ナベ、銅アミ、水、硫酸銅、緑青、大根おろし、梅酢、Zippoです

銅ナベに水をはり火にかけ、硫酸銅と緑青をよく溶かし合わせます




沸騰するまでの間にZippoを梅酢に漬けます


梅酢に漬かったZippoをとりだし、次は大根おろしに浸します



梅酢と大根おろしによく漬かったZippoを硫酸銅と緑青を溶いた液の中に入れてグツグツ煮ます

これが色上げの作業工程です

何で金属を大根おろしに漬けるの?ってよく聞かれますが、ずぅっと昔からやっている事なので
僕も分かりませんが、これをやる事で色の付きがよくなります

化学的な解明は誰もやっていないみたいです

20分程煮込むといい色が出てきます

色上げした完成品は後日アップします

2014年1月19日日曜日

宮本商行様


お正月からずっと忙しくて、前回、展示のお知らせをちょこっとしただけで
更新しないまま、開催期間に突入してました。


1月8日~2月25日まで銀座の宮内庁御用達店・宮本商行様にて作品6点が
展示されていますので、のぞいてやって下さい。日・祝日はお休みです。


宮内庁御用達とありまして、めちゃくちゃ御立派なお店で恐縮しちゃいます。

宮本商行様で扱われている商品はジュエリーより、銀製の食器類などが多く、
靴べらや耳かきなど、高級な日用品などもあり、全て職人技物ばかりですので、
通常、一般的な店舗ではなかなかお目にかかれない物がいっぱいありますから
是非、のぞいてみて下さい。

ヨロシクお願いします。

                     めっちゃキレイな店舗です。☆☆☆

2014年1月1日水曜日

謹賀新年2014  GOLD&BLACK



あけましておめでとうございます

本年もどうぞ宜しくお願い致します

新年早々に新作を作ってみました

大晦日から金槌持ってカウントダウンでした

前々からやろうと思っていた金×銀の木目燻しです

18金の木目金を使って、表面に岩石荒らしのようなテクスチャーを叩きこんでみました


表面は金×銀、裏面は金です

表面は銀が混じっているので、少し柔らかく、裏は18金を張り合わせているので硬いです

硬さが違うので、無理に曲げたり叩いたりを繰り返すと裏の金に割れが入ってしまうので

気を使いながら叩き、キレイに形を整えて、これを燻します

燻しあがり完成したGOLD&BLACKのバングルです



                ぐぅぅっ~!!   めっちゃカッコいい~!!


新年一発目の作品でした

今年は色々な素材に挑戦していきたいです

今、気になっているのは黒檀です

木と金属の組み合わせに挑戦していこうと思います

それと、今年は1月8日から2月25日まで銀座の宮内庁御用達店で作品達が飾られる事になりましたので、詳しくは追ってお知らせしたいと思います

今年も宜しくお願いします   
                        2014 元旦

2013年11月24日日曜日

木目金Zippo制作 Vol.7


                                                    くぅぅ~シブイっす!!




しかし、前回紹介したヒンジ部分を本体にセットしたところパイプ部分が本体の背中に
あたってしまいフタが閉まりません。なので背中にパイプ収納のくぼみを作ります。



本体の背中側だけを糸ノコでくぼみ入れるテクです。

スゴイ薄さで金属を糸ノコで切っていきます。



糸ノコ入れたら、ヤスリで整えて少しづつ調整していきます。最初に糸ノコを入れることにより
キレイに鋭角を出す事ができます。


金具を差し込み、パイプの収納具合をチェックしながらコンマ数ミリの調整を行いながら
すり合わせていきます。


                    じゃんッ!!完璧な収納です



次は、このパイプに銀線通してかしめます。それを本体にロウ付けです。

次の作業がこの作品の中で一番の難所になると思います。

本体と金具をロウ付けする際にパイプ部分に火がまわったらアウト!!

パイプにロウがまわってしまってもアウト!!

マジで難しい。超難関のロウ付けにどうやるか頭を悩ませています。


2013年11月20日水曜日

市松木目切嵌腕輪 制作過程



 展示から帰ってきた作品をマジマジと眺めて見た

失敗ヶ所が目につき、火の通し方や叩き方に、もっとこうすべきだった!という反省点がいっぱい

仕上げの木目調もあまりよくなかったけど、反省点はまた次の作品に活かそう

今回の作品の制作過程です

初めは遊び半分で市松模様の板を作りました



それから図案を考えていき、木目金を切り嵌めしたり、銀張りをしたりと55個の部品を組み合わせて火にかけました。



これは全ての部品をロウ付けして火からあげたところです
部品数が多いため、全体にホウ砂をたっぷり塗り、ガラスの膜を作っています



表面のガラス質の膜を硫酸で溶かしています
膜が溶け落ちる様がよくわかりますねぇ



ガラス膜が溶けてキレイになったら余分な部分を切り落とし、これで図案の通りの一枚板が完成します



この一枚板を曲げて表面を整えたら完成!!

きったない手ですねぇ~

だいぶ大まかに紹介しましたが、ここにたどり着くまでにかなりの時間を費やしました

反省点もいっぱいありますが、コツコツとやってきた自分の技術を評価してもらえた事は
本当に嬉しかったです。


2013年11月15日金曜日

第11回全日本金銀創作展 受賞作品 



先日、第11回全日本金銀創作展で受賞しました作品が展示から帰ってきましたので
写真をアップします

こちらが作品名 : 市松木目切嵌腕輪になります



                           


                           
名前の通りに市松模様と木目金を合わせた一枚板を曲げただけの腕輪ですが

この一枚の板は55個の部品から作られています

これだけの部品数で裏は銀張りと縁に細長い銅板が嵌めてあります

単純な模様ですが、それゆえに誤魔化しがきかなく、ロウ付けも仕上げも苦労しました

しかし、展示場でお師匠様やすごい工芸士の方々から、力作だねぇ~という言葉をもらって
嬉しく、苦労した甲斐あったものです

Zippo制作の発展から遊び半分で作り始めた切り嵌め作品がまさか受賞する事になるなんて
ホントに信じられなく嬉しかったです

2013年11月6日水曜日

第11回全日本金銀創作展 受賞


二年に一度行われる全日本金銀創作展が開催されました。

一部門が置物、二部門が装身具です。伝統工芸士の競演です。

そんな中、僕は二部門に腕輪を出展していました。

先週、受賞者発表が行われ、なんと受賞の連絡を頂きました。

大臣賞、知事賞と素晴らしい作品が並ぶ中、僕は五番目の日本商工会頭賞を受賞しました。

作品名 : 市松木目切嵌腕輪

展示会場が撮影禁止だったため作品の写真がまだないので制作過程も含めながら後日アップしたいと思います。




2013年10月15日火曜日

木目金Zippo制作 Vol.6



金具作りの続きです

前回、小さい銀のパイプを切りました

そのパイプを四分一板にロウ付けします

このロウ付けが部品が小さいためとても厄介です

しかもヒンジ部分なのでロウが少しでも違う場所に流れてしまうものなら

開閉の動きもできなくなるし、かみ合わなくなるしで、大変な事になります

部品が小さいためロウ付けの位置を合わせたり酸化防止剤を塗る事も大変です

針の先や楊枝の先を使って作業します

細かい作業が多いため一発で仕上げたいと思い、部品を組んでからロウ付けしたら

色々なところがくっついてしまい、失敗に終わりました

結局、何度も失敗を繰り返したあげく組んでからのロウ付けはやめました

厄介な作業になるけど別々に作る事にしましたが、これまた失敗を重ねました

ヒンジを作った事がないので、位置合わせにとっても苦労しました

しかし、失敗を重ねた事で良い物をつかみました

合わせ方も流し方もコツをつかみました

これがその成果です




              これを組み合わせるとキレイに動くヒンジの完成です



                     苦労した分、嬉しいです!! 

2013年10月5日土曜日

木目金Zippo制作 Vol.5




11月に開催される全日本金銀創作展に出品する作品を制作中だったため

Zippo制作が金具作りで止まっていましたが、一区切りついたので、金具作りを始めます

全日金銀展の作品制作はあとでアップしたいと思います。


まずは前回も言っていた四分一作りからです

四分一には銀の配合により、白四分や黒四分などありますが今回は標準的な物を作りました


これを叩いていったのですが、ホント硬いです。

金槌からの感覚がキーンッ!キーンッ!と伝わってきます

コンマ6ミリの板にして糸ノコを入れたら、刃からもキンキン伝わってきました

板を作ったので、次はヒンジ部分の制作です

これは銀で極細パイプを作って、それを切って水平を出していきますが、

とにかく小さいので大変です



写真のスリ板の上にあるのが延ばして作り出した四分一板です

この板を切って、この小さなパイプをロウ付けしてヒンジ部分を作っていきます

目がショボショボするぅ~


2013年9月16日月曜日

木目金Zippo制作 Vol.4



じゃんッ!!

中身入りました。キツ過ぎず、ゆるくなく、完璧な合わさり具合です。

フタ部分も切り離し、次はいよいよ金具作りです。


使わなくなったZippoを分解して金具を取り外してみました。


長い歴史のあるZippoが作り出した金具です。音の仕組みが色々計算されつくしているはずです。

ただ、このベロの部分は形状により、どんな変化が生まれるのか興味深いです。

この金具は真鍮でできていました。やはり硬さとバネがポイントでしょう。

硬さとバネを兼ね揃えている金属といえば金になります。

しかし、コストがかかりすぎるので、金に代わるような硬い金属を自作したいと思います。

そこで今回は硬い四分一を作って金具作りを進めていこうと思います。