2019年12月29日日曜日

市松木目煙草箱 完成







前回までの投稿
市松木目煙草箱の制作過程1~9を経て完成しました





                        市松木目煙草箱




このタバコケースは全日本金銀創作展にて
見に余る光栄な賞を頂く事ができました

そして、授賞式ではリスペクトな職人さん達から
色々と声もかけてもらい

この作品を通して実りある一年を締めくくる事ができました

年明け1月29日から2ヶ月間
銀座・宮本商行様にて展示が決まっております

また、詳しい事は後日お知らせしたいと思います

今年一年、ありがとうございました




                    

                          彫金工房Aikawa 相川千明





2019年12月25日水曜日

市松木目煙草箱 制作9






市松木目煙草箱の制作過程



最終工程です
バネを作り仕込んで組み上げます




色上げを完了させたタバコケース本体と留め帯です




留め帯に仕込むバネを作っていきます

バネはK18での制作です




帯の水平やバネの効きを確認してカシメます

そして、本体のヒンジに芯棒を入れカシメて完成となります





                           彫金工房Aikawa 相川千明






2019年12月21日土曜日

市松木目煙草箱 制作8






市松木目煙草箱の制作過程



タバコケースの全部品が揃ったので
色上げをしていきます




各部品を重曹や炭粉を使いキレイに脱脂していきます




緑青と硫酸銅の混合液に漬けて煮込みます

赤銅を使っているので、今までの過程で銅色だった部分は
キレイな黒に色が上がります




市松模様と木目金が白黒にはっきりと分かれて
今までの工程の雰囲気と全くの別物に変身します




こんな感じに色上げが完了しました


最後にバネや芯棒を仕込んで組み立てていきます





 
                           彫金工房Aikawa 相川千明







2019年12月14日土曜日

市松木目煙草箱 制作7







市松木目煙草箱の制作過程


タバコケースの開閉ボタンを作っていきます




本体にボタンを通す穴を開け
裏に板バネを仕込んでいきます

ボタンはK18で制作しました




裏側に仕込む板バネは
本体内側の銀で岩石槌目と揃えました

バネ機能を活かすため
銀は割合を変えての銀合金を作り
弾力性を持たせてあります




ボタンとバネを仮設置して
開閉の問題はないか、隙間なく噛み合わさるか、
何度も確認作業を行い整えます




部品をカシメてしまってからではやり直しがきかないので
ボタンや帯のバネの効き具合もよく確認して最終工程に進みます




タバコケースの全ての部品が揃いました

各部品を色上げして、組み立てに入っていこうと思います





                             彫金工房Aikawa 相川千明






2019年12月3日火曜日

市松木目煙草箱 制作6







市松木目煙草箱の制作過程


前回はタバコを留める帯を制作したので
それを支える軸芯をロウ付けします




ケース外側に軸芯を通す穴を4か所開けます

そこにパイプを通してロウ付けします




パイプを通したケース外側には飾りの
K18の丸玉を取り付けようと思います




外側に丸玉と内側に短いパイプをロウ付けしました

ケース全体が全てロウ付けでの接ぎ合わせなので
ここまでくると火を入れる過程はまわりのロウを刺激しないよう
一発勝負なので緊張します




4か所のロウ付けが終わり
火入れした後の酸化膜をキレイにしてみました
自分的には薬品を使った色上げ仕上げにするより
この自然な質感のままが好みです

色々な作業が進んできましたが
残るはケース開閉のボタン制作となります





                              彫金工房Aikawa 相川千明