2018年1月16日火曜日
木目金バングル 流線木目梨地仕上げ Vol.3
Vol.1と2でバングルの素材が出来上がったので
これを成形していきたいと思います
まずはバングル素材を
当金に沿わせて金槌で叩きながらキレイに曲げていきます
成形する際に金槌で叩いた痕を槌目といいます
この槌目を残したままの仕上げもカッコイイのですが
今回はラインを強調したいためヤスリでキレイに槌目をとりました
ヤスリで成形した後、
今度は砥石やペーパーでヤスリ目を砥いでいきます
色あげや鏡面仕上げにする際は砥石の後に炭砥ぎまでやりますが
今回は艶消しの仕上げにしたいと思います
打ち合わせ時に木目金の強調に関する質問がありました
銀を鏡面仕上げすると反射や写り込みで木目金が同調してしまうので
艶消しでいこうと思います
それと銅の経年変化も楽しんでもらうために
色上げは今回施しません
裏の銀地はピカピカの鏡面で表は艶なしの梨地仕上げで
メリハリのある仕上がりにしたいと思います
表をキレイに砥いで、裏は鏡面研磨しました
最後の仕上げに入りたいと思います
この赤っぽい粒粒の小石は金剛砂です
金剛砂とは、とても硬い鉱物です
この金剛砂を水で流しながらバングルに叩きつけて
梨地仕上げを施します
このように硬い金剛砂を流し当てる事で
微細なザラッとした質感になります
この梨地仕上げは上品に仕上がるので
とても好きです
そして木目金のような和のテイストにとても良く合います
色々な工程を踏んで完成したバングルがこちらです
とても上品に仕上がっていますので
年を重ねていっても長年使える逸品だと思います
大変な手間と技術が注がれていますので
気に入ってもらい愛用して頂けたら嬉しいです
ありがとうございました
木目金バングル 流線木目梨地仕上げ Vol.2
Vol.1に続き
今度はバングルの裏部分を作っていきます
まずは銀を溶かしていきます
溶かした銀をあけ型に流し込み
銀塊を作ります
この銀塊を金槌で叩いてナマしてを繰り返し
延べていきます
銀の塊りをバングルに合わせた一枚の板に延べました
表板と裏板が出来上がりました
Vol.1で作った表板に銀を裏張りしていきます
二枚を隙間なく重ね合わせたら
この広い面積にキレイにロウを流し込みます
裏張りもして材料の作り込みが完成したので
次は曲げと仕上げに入りたいと思います
木目金バングル 流線木目梨地仕上げ Vol.1
明けましておめでとうございます
新年の挨拶もなしに申し訳ございませんでした
年末より忙しくて、お正月休む間もなく頑張っています
今年も彫金の方は色々と新しい事に挑戦していきますので
どうぞ宜しくお願い致します
さて、今回のバングル
昔よりずっとお世話になっている方の息子さんからのご依頼です
親友へのプレゼントという事で
なんとも素敵な事です
相手の方がシルバージュエリー好きという事なので
一点物の木目金バングルがどのように作られるのか
制作過程を紹介していきたいと思います
まずは木目金から作っていきます
銀・銅の板を何層にも重ね、各地金の融点の差を利用して
ロウ材を使わずに熔着させます
この何層も重なった分厚い板の塊りを金槌でひたすら叩きながら
彫り込んでいきます
温めて地金をナマして叩いて彫って
これを何度も繰り返していきます
叩き彫ってを繰り返す事によって
先程の分厚い塊りが文様を施した一枚の板に変わります
これが木目金です
制作打ち合わせでのイメージ図です
木目金で流れるようなラインを入れたバングルに仕上げたいとの事でした
素敵なセンスだと思いました
そんなイメージで先程の木目金を切っていきます
打ち合わせ時にセンスが素敵だなと思いましたが
着眼点も鋭かったです
木目金は銀地or銅地どちらに合わせた方が際立ちますか?
と聞かれビックリしました
これは後程の仕上げで
それと同時に銅の質感が良いとの事でしたので
木目金のラインに銅を沿わせる事にしました
木目金・銅・銀を剥ぎ合せて一枚の板にします
こんな感じに表のデザイン部分が出来上がりました
次はバングル裏地を作っていきます
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